やってはいけない保険治療①


動物でも植物でも表面は外部からの防御機構が備わっている。

さすがのコロナウイルスも粘膜から侵入はできても皮膚からは侵入できませんよね。

歯の表面のエナメル質も由来は皮膚と一緒なので防御機構が備わっています、

しかし象牙質や歯根には防護機構がないので、

いつも皆様に「むし歯は治らないから、痛みがでる前に受診してね!」と言っているのです。
 

つまり、エナメル質は大事!

だから私の治療方針では、可能な限り歯は削らない。

しかし6年ほど前から厚生労働省は小臼歯のCAD/CAM冠(プラスチックと陶材を混ぜた樹脂)を保険適用にしてしまいました。

さらに今年9月からは前歯も適用になりました。

理由は歯科用金属(金・パラジウム)の価格が高騰しすぎて、銀歯の治療をすればするほど歯科医院が赤字になるからです、まあ当院はまだ頑張っていますが…

保険適用のCAD/CAM冠、当院では

①神経をとって歯が弱って銀歯やジルコニアでは歯への負担が大きい

②歯周病で歯が長くなり接着面積が確保できるケース以外はすすめません。

治療法を選択するときは①コスト面②審美面③健康面を考えなくてはいけません。

保険適用CAD/CAM冠は患者様からすれば②審美面③健康面がとりあえずの利点(自費のCAD/CAM冠は材質・精度ともにオッケーです)

歯科医院からすれば①患者さんが喜ぶ②保険点数が高い③金属代がかからないのが利点。

他院のHPをみていると、保険CAD/CAM冠を大々的に宣伝しているところもありますが、トラブルがでてきています。

保険CAD/CAM冠を選んでもちゃんときれいに治療はしますが、将来のこともよく考えて選択することを切に願います。 

エナメル質=皮膚=防御機構ですよ!






2020年09月30日