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アットホーム&ハイクオリティな歯科医院を目指す熊本市で開業している歯科医師です。
お口の健康はとっても大切!
みなさまが少しでもお口の健康に興味がでるように歯科のトピックを書いていきます。

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咬筋注射、効果あります‼

歯科医師人生28年目、確実に増えているのが「歯ぎしり・くいしばり」。

スマホ社会になり一日に入ってくる情報量が、江戸時代の1年分・平安時代の一生分といわれています。

つまり悲しい人間の性…危険そうな情報や悲しい情報に、より注意がいってしまいます。

そしてその自分にはあまり関係のない情報からもストレスを受けているようです。

最新の研究では歯ぎしり・くいしばりは、中枢性のストレスに対する生体の防御反応としての生理的な現象で、ほとんどの人に大なり小なりみられる現象であることがあきらかになりました。

人それぞれ噛み合わせも咬む力も違います。

なので歯ぎしりや食いしばりなどのその運動パターン、その作用時間、その力や部位も異なり、どの歯にどれくらいの影響がでるかも全く違ってきます。

問題のある歯ぎしり・くいしばりを放置すると、さまざまな障害に発展する場合もあります。

一晩の歯ぎしりは、一生分のそしゃくに匹敵するくらい、歯やあごにダメージを与えることもあるとも言われており、危険なものなのです。

症状として特徴的なのは、歯の咬耗、平らな咬合面(咬むところが平らになっている)、ウィンクル(金属の線状の傷)やディンプル(咬むところのゴルフボールのような溝)、骨隆起(骨の隆起)などがあります。

歯が異常に擦り減る、歯が破折する、歯がしみる、かむと痛い、など感じているなら要注意です。

保険治療ではスプリント・ナイトガード療法が適用ですが…違和感がおおきいので受け入れてくれる人が少ないのが現状です。

なので昨年1月より導入したのが咬筋注射(ボツリヌスキトシン製剤治療)くいしばる力が弱くなり、歯にも優しいのでいい治療法です(その他、小顔にもなる効果も‼)

私をはじめスタッフも定期的にしていますよ~。(※自費治療、1回目44,000円、二回目~33,000円)

2024年11月29日

歯周病と糖尿病の関わり

歯周病と糖尿病には密接な関係があります。

糖尿病があると、体の免疫力が低下し、歯周病菌に対する抵抗力が弱くなります。

その結果、歯周病が進行しやすくなります。

一方で、歯周病が進行すると、炎症が体内で広がり、インスリンの働きを妨げる物質が増えます。

これにより、血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病の症状が悪化することがあります。

興味深いことに、歯周病の治療を行うことで、糖尿病の管理が改善されることもあります。

研究によると、歯周病治療を受けると、糖尿病の指標であるHbA1cの値が平均0.4%程度改善することが報告されています。

このように、歯周病と糖尿病はお互いに影響し合う「悪循環」の関係にあります。

したがって、糖尿病の管理には、定期的な歯科受診と適切な口腔ケアが非常に重要です


2024年09月30日

歯を失わないための根面むし歯予防

歯根むし歯(根面う蝕)は、歯の根元にできるむし歯のことです。

これは特に歯茎が下がって歯の根が露出することで発生しやすくなります。

以下のポイントが重要です:

【原因】

歯の根元はエナメル質ではなく、象牙質で覆われているため、酸に対して非常に弱いです(リスク3倍‼)。

プラークが溜まりやすく、むし歯菌が酸を作り出すことで象牙質が溶けてしまいます。

【進行】

初期段階では痛みが少なく、気づきにくいことが多いです。

進行すると、歯の根元が柔らかくなり、最悪の場合、歯が折れてしまうこともあります。

【治療】

進行した部分を削り、詰め物をする治療が一般的です。

早期発見が重要で、定期的な歯科検診が推奨されます。

【予防】

プラークコントロールが鍵です。

歯茎の際までしっかりとブラッシングし、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することが効果的です。

2024年08月31日

認知症と口腔の健康との関係

 歯周病は50歳代以上の約80%がかかっている疾患です。

 近年、歯周病と認知症の関連は注目を集めています。

2020年、歯周病菌が体内に侵入し、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害が起きる仕組みを九州大学などの研究チームが解明しました。

認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症は「アミロイドベータ」などの異常なタンパク質が、長年少しずつ脳に蓄積することで発症するといわれています。

近年の研究により、歯周病菌が原因となり、アミロイドベータが脳へ蓄積する速度を速めてしまうことがわかりました。

また成人で歯を失う原因のうち、最も多いのが歯周病ですが、歯が抜けている本数が多いほど認知症を発症しやすいこともわかっています。

歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性があります。

歯周病菌はアルツハイマー型認知症だけでなく、糖尿病や誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあることもわかっています。

 認知症を予防する方法や薬の開発が望まれますがまだみつかっていません(やっと臨床導入したばかり)。

まずは、毎日のブラッシングと定期的メインテナンスによって、認知症を予防しましょう!

2024年07月30日

しっかり噛むことの効果

噛むことは、だ液分泌を促進し消化を促し、また顎の骨や筋肉が動くことで、血液の循環がよくなり、脳細胞の働きが活性化して運動機能が向上し、結果として認知症やうつ予防につながります。

また、奥歯でしっかり噛みしめることは転倒予防にもつながります。

しっかり噛むためには、歯を抜けたままにしないこと、しっかり噛めるインプラント治療(基本的に、入れ歯は歯がなくなればなくなるほど噛めなくなります)をすることが重要です。

噛めないからと、丸呑みしたり、糖質や脂質でカロリー摂取しているとサルコペニアのリスクがでてきます。

たんぱく質を摂取できるように歯科治療&メインテナンス頑張りましょう。

2024年06月28日
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