歯の根っこのむし歯に注意!
根面う触は、歯の根が露出している成人に見られるむし歯です。
現在ではむし歯予防が進み、乳歯のむし歯の数は減少傾向にあります。
その反面、永久歯、特に壮年期のむし歯の数は増えているという調査結果が報告されています。
そのなかでも問題になっているのが、根面う蝕(歯の根っこのむし歯)です。
根面う蝕の歴史は縄文時代にさかのぼります。
狩猟のみで生活していた時代は、ほとんどむし歯は発生していませんでしたが、縄文時代に入り、土器を使って食べ物を煮炊きしていたことから、デンプン質の粥が歯に付着してむし歯の原因になったと考えられています。
この頃のむし歯は、かみ合わせや歯の溝からは起こらず、歯と歯肉との境目(根面)からの
むし歯(根面う蝕)がほとんどでした。
むし歯がほとんど見られなかった時代でも根面う蝕は存在していたほど、歯の根はむし歯になりやすい部分だったことがわかります。
【根面う蝕の原因】
1.歯根の露出
歯肉が減少し根の部分が露出することがあります。
原因は、①歯周炎②ブラッシング圧が強い③過度の歯ぎしり・くいしばり などが考えられています。
2.歯垢の存在
歯垢(むし歯菌)が砂糖や炭水化物などを利用して、酸を作り歯根を溶かします。
3.歯根は溶けやすい
歯根は歯冠(エナメル質)より、酸によって5倍も溶けやすい。
4.飲食回数の増加
飲んだり食べたりする回数が多い場合は、歯が溶ける機会も多くなります。
また、1回の食事時間がダラダラと長い場合や、少量ずつちょこちょこ分けて食べることもむし歯の原因となります。
5.砂糖や炭水化物の摂取
砂糖・炭水化物は、むし歯菌が酸を作るために必要なものです。
6.唾液の減少
酸を中和する働きのある唾液が少なくなると、むし歯は進みやすくなります。