特に高校生までは定期的に歯の健診を!
6月4日はむし歯予防デー、6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です。
しかし今年はコロナウイルスのおかげで学校歯科健診が未定の学校が多いのではないでしょうか。
そこで心配しているのが「子供たちのむし歯が進行していないか?」ということ、といいますのも小学校低学年まではご家族が定期健診に連れてきてくれていた患者様が、久しぶりに高校生で受診したらむし歯や歯肉炎になっていたというケースがたまにあって悲しくなるからです。
歯科医師としては、せめて高校生くらい(本当は一生涯なのですが)までは定期的に歯科健診を受けてほしい!とういことで今回はむし歯になりやすい年齢のお話。
①乳歯はむし歯になりやすい
乳歯は永久歯よりも弱く、むし歯になりやすい傾向があります。
また歯の生えはじめたばかりの年齢というのは、歯の表面のエナメル質も十分に固まっていないため、さらにむし歯になりやすい時期です。
具体的には、乳歯が生えはじめる1歳半から、生え揃う5歳ごろまでの時期。
1歳半~3歳頃は前歯から生え揃っていきますので、前歯がむし歯になりやすいです。
3歳~5歳頃は続いて奥歯が生えてきますので、奥歯がむし歯になりやすく注意が必要となります。
②永久歯も生えはじめはむし歯になりやすい
永久歯の生えはじめの時期はまだエナメル質が固まらず、大人に比べむし歯になりやすい状態が続きます。
具体的には永久歯が生えはじめる6歳頃~10歳頃までの年齢。
特に永久歯に生え変わる小学校低学年頃の年齢では、生えはじめたばかりの未完成な永久歯が多い状態ですので、永久歯のむし歯に要注意な時期といえます。
また中学生・高校生の思春期は、エナメル質が徐々に固まっていきます。
年齢としては、偏食や歯磨き不足が目立ちやすい時期ですので、外的要素も含め、まだまだむし歯に注意が必要な時期です。
③20歳以降はむし歯になりにくい
20歳を越え成人となった以降は、ほぼ永久歯のエナメル質が固まりますので、それ以前にくらべむし歯になりにくい歯となります。
ただし大人でも歯科医院通いをしている人がいる通り、絶対にむし歯にならないというわけではありません。
20歳以降であっても、歯磨きをしなかったり、偏食や生活習慣があまりに乱れていたりするような状態が続くと、むし歯のリスクは高くなります。
また20代以降はむし歯のリスクは減るものの、「歯周炎」のリスクが徐々に高まります。
④中高年
歯周炎のない健康な人でも歯の周りの骨は10年で1㎜程度吸収します。
歯周炎だとこれが急速に吸収します。
そのため歯根が露出してしまうのですが、歯根は酸に弱いのでむし歯になりやすくなります。
予防のためにも食後の歯間ブラシは必須です。