笑気吸入鎮静法とは
1.笑気吸入鎮静法の効果
笑気吸入鎮静法は、笑気吸入装置で30%以下の低濃度笑気と70%以上の酸素を混合し、専用の鼻マスクを用いて患者さんに鼻から吸入させます。笑気の臭いはほのかに甘い香りで、違和感なく気持よく吸入できます。
吸入された笑気は、肺から血中に急速に溶け込み、5分以内に鎮静状態に到達します。
そして笑気の吸入を停止すれば、いつでも速やかに鎮静状態から回復します。
2.笑気吸入鎮静法に対する実感
10~20%の笑気吸入で体が暖かくなり、手足の先がぴりぴりした感じがしてきます。20~30%では口の周りのしびれや、体が軽くなってきます。また、遠くの方で音がするような感じがしたりします。
このころになると、ぼんやりした非常に心地よい楽しい気分になり、体が重く感じたり、逆に軽く感じたりして、痛み感覚も相当鈍くなってきます。
しかし、さらに濃度を上げると、発汗がみられ、健忘を伴い、眠気がしてきます。そして、精神的には興奮したり、落ちつきがなくなったりすることもあります。
静脈内鎮静法とは
静脈内鎮静法とは、点滴法により抗不安薬を静脈内に投与する方法です。
鎮静されている患者さんは安らかな気持ちになり、さらに処置時の痛みなどの不快な記憶も和らげられ、ストレスを軽減した円滑な診療が受けられます.
そのため治療時間を充分にとる事ができ、一度に多数の歯を治療することが可能となり、患者さまの通院回数を減らすことにもつながります。
当院でインプラント治療される患者様の約8割は静脈内鎮静法のもとにインプラント植立術をしています。
「眠っている間に手術が終わった」と好評です。
静脈内鎮静法には
- 気分が落ち着く
- 痛みなどの治療中のことをよく覚えていない
- 治療時間が短く感じられる
- 血圧や心拍数も安定します
- 治療中の吐き気を抑えることも可能です
という利点があります。
静脈内鎮静法Q&A
Q:安全な方法ですか?
A:元来小さな手術を行う際に用いられる方法で、世界各国で用いられています。処置中はモニターにより専門医が全身状態を管理するので安心です。更に近隣の医療機関とも連携をしており万全を図っています。
Q:どのような状態になるのですか?
A:個人差は多少ありますが、催眠術にかかったように手足の先がポカポカして気持ちが良い状態に似ています。
Q:眠ってしまうのですか?
A:個人差はありますが、意識はあります。
Q:痛みを感じなくなるのですか?
A:いいえ、和らぐだけなので通常は局所麻酔も併用します。
Q:時間がかかるのですか?
A:かかります。通常の歯科治療に加え、鎮静される時間と覚める時間が必要です。健忘効果があるので、本人にとっては2時間の処置でも30分位の短い時間に感じられます。
Q:入院するのですか?
A:その必要はありません。