予防歯科とは

予防歯科ってなあに?


現在、むし歯や歯周病は、運が悪くてかかってしまう病気では無くなりました。

むし歯や歯周病は科学的に研究され、効果的な予防方法が世界では日常臨床に導入応用されています。
しかしながら、日本は先進国の中で一番悪く、歯の残存歯数は80歳で約5本と悲しい状態です。
生涯自分の歯でおいしく食事をとるためにも、むし歯・歯周病の予防は大切なのです。

定期的に受診される患者さまは、80歳になっても
ほとんどの歯が残っていますが、痛いときだけ
来院される患者さまは・・・

歯の残存数と健康

「高齢者における歯の健康と医療費に関する実態調査結果」という報告書があります。
ある県の65歳以上の12,222人について、歯の健康と医療費の関連性を調査したものです。
その結果は次のとおりです。

  • 残存歯数が少ないほど、医療費が高くなる。19歯以下は20歯以上に比べ、医科全体の医療費が約30%高い。
  • 歯周病が重度になるほど医療費が高くなる「歯周病あり」は「歯周病なし」に比べ、医科全体の医療費が21%高い。
  • 残存歯が少ないほど、入院日数が長い。19歯以下は20歯以上に比べ、入院日数が約25%(3日)長い。

これらの結果により、「残存歯数が多い高齢者ほど少ない医療費」ということが実証されました。
歯がたくさん残っていて、歯周病のない人ほど、病気になる確率が低く、元気に生活できるのです。
80歳で20本以上の歯を残すために、毎日ブラッシングをし、定期健診を受けましょう。

予防歯科ってどういうことをするの?

基本的にはプロがおこなう歯のクリーニングと考えてください。

・プラークコントロール
歯周病やむし歯の原因はプラークです。歯周病やむし歯の予防は、まずプラークを確実に取り除くことです。それがプラークコントロールです。プラークコントロールの基本は毎日の歯磨きです。
当医院では皆様一人一人に適したプラークコントロール法を、説明し身に着けていただきます。

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
専門家(歯科医師、歯科衛生士)による歯面清掃をPMTCといいます。
特殊な器具を使って、歯磨きでは取りきれないプラークを取り除きます。
歯肉の下の部分にたまってしまったプラークや歯石は歯磨きでは取れませんので、私たちにお任せください。
皆様と専門家の連携プレーで、お口の健康を保ちましょう。

・フッ化物局所応用
低濃度フッ化物添加歯磨剤を用いたブラッシングと、医師・衛生士による高濃度F局所塗布を並行して行います。
低濃度F歯磨剤により唾液中に保持されるフッ素濃度を0.05ppm以上に保ち歯質の脱灰抑制と再石灰化促進を図ります。
高濃度フッ素(1,000ppm)を塗布することにより歯の表面にフッ化カルシウムが生成され、歯質が強化されます

・予防充填(シーラント
子供のむし歯予防対策はもちろん、むし歯リスクの高い患者さまの歯の溝や経過観察となった初期むし歯をプロテクトするためにもシーラントを行います。

・リスクコントロール(生活習慣の改善)
歯周病は生活習慣病の一つです。
毎日の生活の中に、歯周病にかかりやすくなる、または悪化させるリスクファクターが潜んでいます。
生活習慣を改善することによってリスクを軽減させることが可能です。
生活習慣には、食習慣、運動習慣、休養、飲酒、喫煙などがあり、歯周病のリスクファクターには喫煙、食習慣によるものがあげられます。
当医院では歯周病に罹患した患者さんに対しては節煙、禁煙に心がけていただきます。
食習慣は、間食はさけ、甘いもの、軟らかいもの中心の食生活の方には、繊維質のものや、ビタミンの多く含まれた食べ物をバランス良くとっていただき、毎日規則正しい生活を送ることによって、歯周病に負けない体の抵抗力をつけて頂きます。